RYOTA SUKEGAWA挑戦育成

発信 — ONE STEP FORWARD

バスケの怪我が怖い小学生に、僕はまず「痛い」と言える場所を作る

「バスケは体がぶつかるスポーツだから、怪我が心配で」。体験の申し込みに、こう書き添えてくださる保護者の方がいます。線が細い。よく転ぶ。周りの子より小さい。ボールを追いかける姿を想像すると、楽しそうなのと同じくらい、ひやっとする場面が浮かんでしまう。そんな気持ちで、申し込みのボタンの前で止まっているのかもしれません。

僕は札幌の3拠点(真駒内・南3条・新琴似)で、100名の子どもたちを見ているバスケットボールスクールのコーチです。バスケ歴は27年。会社員を13年やってから独立しました。

先に正直に書いておくと、僕は「怪我は大丈夫です」とは言えません。言わないのではなく、言えないんです。今日はその理由と、それでも子どもたちに安心してコートに立ってもらうために、僕が練習で何を先にやっているかを書いてみます。

僕は怪我を軽く言えない

僕自身、怪我の多い選手でした。捻挫は数えきれないくらいやっています。大学4年の最後のシーズンには、すねを疲労骨折しました。25歳の時には、右足のアキレス腱を切っています。

だから「バスケは安全です」とは言えないし、怪我をした時のつらさも知っています。痛みそのものより、きつかったのは「自分だけ止まっている」という感覚でした。仲間が体育館で動いている時間に、自分だけがベッドの上にいる。あの時間は、本当にきつかった。

怪我はしないほうがいい。これは今でも変わりません。

ただ、ここからが今日の本題です。怪我が怖いから遠ざけるのと、怪我が怖いから備えるのは、まったく別のことだと僕は思っています。僕が気をつけているのは後者です。怖さを消すのではなく、怖さの向け先を変える。スクールでやっているのは、そのための練習です。

小学生の怪我で、僕が一番見ているのは「ぶつかり方を知らない」こと

アキレス腱を切った僕が言うのも変ですが、僕の大きな怪我は、体を当てたから起きたものではありません。痛みを我慢して試合に出続けた。疲れを溜めたまま無理をした。原因はそちらでした。

一方で、体をぶつけること自体は、バスケットでは必ず発生します。リバウンドも、ボールをもらいに行く動きも、相手と体が触れないことはありません。ここを避けて通れない以上、僕がスクールでやっているのは「ぶつからない練習」ではなく、「安全なぶつかり方を先に覚える練習」です。

具体的には、ボールをもらいに行く時に相手に体を預ける練習を、歩くところから始めます。僕が相手役になって、「コーチの足にぶつかっていいよ」と先に言う。上半身だけで押すのではなく、足から入って相手の前に乗る。この形ができる子は、バランスを崩されて変な転び方をすることが減ります。小学生同士の接触でも、この形なら相手も自分も大きく崩れにくい、というのが僕の実感です。

押されながら歩く段階の作り方はバスケで当たり負けする小学生の記事に、「ファールが怖くて当たれない子」の話はファールを怖がる小学生の記事に書きました。

ただ、これはあくまで練習の中身の話です。技術だけ覚えても、子どもは怖いままです。もう一つ、技術より先に作っているものがあります。

「痛い」と言える場所を、技術より先に作る

僕が選手の頃、一番やってはいけなかったのは、痛みを隠して練習や試合に出続けたことでした。「ちょっと痛いな」「なんか違和感あるな」と思った時に、そこで引く。これが、長く続けられる人とそうでない人の差だと、今は思っています。

ところが、子どもにとって「痛い」と言うのは、意外と勇気がいります。言ったら練習から外される。怖がっていると思われる。周りはみんなやっている。特に真面目な子ほど、痛みを飲み込んで、何もなかった顔で練習に戻ります。

だから僕は、スクールで「痛い」と言った子を、まず褒めています。「言ってくれてありがとう」「今日はここまでにしよう」。痛いと言ったことで損をしない、という経験を先に積んでもらう。怪我が怖いという気持ちは、この場所があって初めて「今日はやめておく」という行動に変わります。

もう一つ、地味ですがアップに時間をかけています。筋肉が冷たいまま急に動くのが一番危ないと僕は思っていて、これは大人になって体づくりをやり直した時に身にしみたことです。子どもの練習でも、そのままやっています。

家でできることがあるとしたら、「痛い」と言われた時の最初の一言だと思います。「え、大丈夫?」と心配する顔より先に、「言ってくれてよかった」。これだけで、次も言ってくれる子になります。

スクールの無料体験では、この「ぶつかり方」と「痛いと言える空気」を、そのまま見てもらえます。怪我が心配な方こそ、まずは見学からでも大丈夫です。無料体験の案内はこちらにまとめています。

それでも怪我をした時に、僕が子どもに伝えていること

備えても、怪我はゼロにはなりません。この夏も、足をギプスで固めたスクール生と話す時間がありました。

「どうだった、怪我した時」と聞くと、「やっちまったって思った」と言うので、僕も自分の怪我の話をしました。そのうえで、約束してもらったことが一つあります。治っていないのに無理をしないこと。片方をかばって動くと、もう片方に無理がかかります。僕は左のアキレス腱の痛みを我慢して試合に出続けて、右を切りました。「もうやっていいですよ」と言われてから再開する。これだけは守ってほしい、と伝えました。

焦る気持ちはわかります。みんなが練習していて、自分だけ横で見ている。取り残されている感じがする。でも、焦っていいことは一つもない。だから、「怪我をしてよかったと思える1ヶ月にしよう」と話しました。毎日何か一つ、自分でやったと言えることを積む。体幹でも、バスケの試合を見ることでも、勉強でもいい。復帰した時に活躍する子は、この期間をそう過ごしていた子だというのが、何度も怪我から戻ってきた僕の実感です。

よくある質問

Q. 線が細くて小さい子でも、バスケを始めて大丈夫ですか?

A. 僕のスクールには、体の大きさも体力もばらばらの子がいます。小さい子だから危ない、ということは僕は感じていません。むしろ、ぶつかり方を知らないまま体だけ大きくなるほうが心配です。小さいうちに足から入る形を覚えておくほうが、中学以降も安心だと思っています。

Q. 子どもが「痛い」と言った時、休ませるべきでしょうか?

A. 痛みの原因や休む期間は、僕には判断できません。痛みが続く時や、歩き方が変わっている時は、まず医療機関で相談してもらうのが安心です。僕が家でできると思うのは、「痛いと言ってくれてありがとう」を先に言うことです。

Q. 怪我が怖くて消極的になってしまう子は、どうすればいいですか?

A. 「怖がるな」とは僕は言いません。怖いのは、どこまでならいいかを知らないだけのことが多いからです。練習で「ここまではぶつかっていい」という線を一緒に確かめていくと、自分から行ける範囲が少しずつ広がっていきます。

まとめ

バスケの怪我が怖い、という気持ちに対して、僕がやっていることはこの順番です。

  • 「怪我は大丈夫」とは言わない。怖さは消さずに、向け先を変える

  • 安全なぶつかり方を、歩くところから先に覚える

  • 技術より先に、「痛い」と言って損をしない場所を作る

  • 怪我をした時は、焦らず、治ってから。止まっている時間の使い方を一緒に決める

保護者の方の「怖い」は、子どもを守るためのセンサーだと僕は思っています。消す必要はありません。その怖さを、「痛いと言える家」と「ぶつかり方を教えてくれる場所」に向けてもらえたら、子どもは安心してコートに立てるようになります。

怪我が心配でスクールを迷っている方は、まず体験で練習の様子を見てみてください。申し込みはこちらからどうぞ。

ミニバス保護者の教科書(Kindle版)表紙

KINDLE本 ・ 490円 ・ Kindle Unlimited対応

この記事の話を、1冊にまとめました

『ミニバス保護者の教科書——ミスを恐れず、試合で自分から仕掛ける子になる』。試合後の声かけ、辞めたい、補欠、比較、環境選び。ミニバス保護者の悩みに答えた全5部25章です。

札幌の方へ

記事を書いた僕が、札幌でバスケスクールをやっています

札幌のバスケスクール「レジリエントフープ」——真駒内・南3条・新琴似の3拠点、小1〜高校生。ミスを恐れず、試合で自分から仕掛ける子になる——を約束に、加点主義で教えています。無料体験会は随時受付中です。

無料体験会の詳細を見る →

札幌に通えない方へ

試合の動画を、僕が毎週見ます。全国オンラインの「うちの子の専属コーチ」

小5〜高3。お子さんの試合動画を送ると、活躍した場面と次の一手を音声で返します。親子の個別Zoom、勉強会、7章41講の教材つき。6ヶ月で「試合に出た時に活躍できる準備」を一緒に作ります。まずは、気になる3分間を無料で。

第1期の受付は10月31日(土)まで。8組限定です。

うちの子の専属コーチを見る →

読んだら、 聴いてみる。

この続きは、平日毎朝のポッドキャストで。
5分だけ、一緒に前へ進みましょう。