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発信 — ONE STEP FORWARD

バスケ初心者の小学生が家でできる練習。僕はドリブルより先にこれ

バスケを始めたばかりの子に、家で何をやらせてあげればいいのか。リングはないし、家の中でドリブルをされたら近所迷惑だし、そもそも親はバスケ経験がない——。初心者の小学生を持つ保護者の方から、この質問は本当によく受けます。

僕は札幌でバスケットボールスクールを運営していて、100名の子どもたちを見てきました。先に結論を言うと、僕は家での練習として、ドリブルやシュートの反復を最初には勧めていません。家で伸ばせるもっと大事なものが、別にあるからです。今日はその話をします。

家で伸ばせるのは、技術より「試合での動き方」

意外に思われるかもしれませんが、初心者の子が試合に出た時に最初につまずくのは、ドリブルでもシュートでもありません。「ボールを持っていない時間に、何をすればいいか分からない」ことです。

バスケでは、一人の選手がボールを持っている時間はごくわずかで、残りの時間はボールを持っていません。ところが、育成年代ではどうしても、得点やボールを持ったプレーばかりが評価の中心になります。子ども自身も「何点取ったか」で自分の出来を判断しがちです。

でも、コートを見ているとはっきり分かることがあります。ボールは、立って待っている子のところには、なかなか来ない。来るのは、動いて、呼んでいる子のところです。スクールの子が「試合でパスがもらえない」と言ったので一緒に動画を見返したら、「もらえなかった」のではなく「もらいに行けていなかった」——そんなことが、実際によくあるんです。

そして、この「動き方」は、体育館がなくても、家で育てられます。

家でできる4つの「挑戦の技術」

僕が「挑戦の技術」と呼んでいる4つの動きがあります。派手なテクニックではありませんが、初心者の子が試合でボールに絡めるようになる、いちばんの近道です。家では、テレビやスマホでバスケの試合を親子で見ながら、これを「探す遊び」をやってみてください。

一つ目は、「もらいに行く動き」。いい場所に動いて、手を挙げて、「こっち!」と伝える。試合を見ながら「今、パスをもらいに動いた子、どこにいた?」と一緒に探すだけで、子どもの目は変わります。ミニバス世代は、その場で待つか、逆にボールに近づきすぎて団子になるかの二択になりがちです。「味方から離れて、空いている場所へ動く」という見方を、映像で知っているだけで大きな差になります。

二つ目は、「仕掛けの最初の一歩」。うまい選手が1対1を仕掛ける瞬間の、最初の一歩だけに注目してみる。技の種類を覚える必要はありません。「自分から仕掛けている」瞬間を見つけられれば十分です。

三つ目は、「ミスの後の次のプレー」。これがいちばん大事かもしれません。プロの試合でも、ミスは何度も起きます。「今ミスした選手、次に何をした?」と見てみると、うまい選手ほど、落ち込む前に次の守りに走り出していることに気づくはずです。

四つ目は、「オフボールの準備」。得点した選手ではなく、その裏で仲間のためにスペースを空けていた選手、シュートが上がる前にリバウンドの準備をしていた選手を探す。得点ゼロでも、コーチが一番見ている選手はこういう子です。

どれも、ボールも広い場所もいりません。でも、この4つの「見る目」を持って練習や試合に行く子と、そうでない子では、同じ週1回のスクールでも吸収がまるで違ってきます。

技術より先に、家庭は「環境」で効く

もう一つ、正直に言いたいことがあります。家での練習メニューより、家庭が効くのは「環境」の方だ、ということです。

初心者の子が伸びるかどうかは、反復量よりも、「失敗しても大丈夫」と思えているかどうかでほぼ決まります。ミスを怖がる子は、練習量に関係なく、試合で何もできなくなる。逆に、家が安心できる場所である子は、外でどんどん挑戦します。

だから僕が家庭でおすすめしているのは、練習の強制ではなく、声の使い方です。「自分から、もらいに行っていいんだよ」「どんどん呼んでいい」。そして試合や練習の後に聞くのは、「何点取った?」でも「パスもらえた?」でもなく、「今日、こっちって呼べた?」です。呼べたなら、「呼べたんだ、いいね」と返す。もらえたかどうかは、その次でいい。

自分から動いて、声を出せたこと。そこを見つけて言葉にしてあげると、自分から関わる回数が増えて、それがだんだん、その子の当たり前になっていきます。技術は、スクールやチームで教われます。でも、「挑戦していいんだ」という感覚は、いちばん近くの大人にしか育てられません。

よくある質問

Q. やっぱりドリブル練習もさせた方がいいですよね?

A. 本人がやりたがるなら、止める理由はありません。ボールに触る時間はもちろん財産になります。ただ、親が「やらせる」形になると、初心者のうちにバスケが「やらされるもの」に変わってしまうリスクの方が僕は気になります。技術練習は本人のペースで、家庭はまず「見る目」と「環境」から、が僕のおすすめです。

Q. 親がバスケ未経験でも、教えられますか?

A. 教えなくて大丈夫です。今日の4つは「教える」のではなく「一緒に探す」遊びです。むしろ親が答えを知らない方が、「今の、どういうこと?」と子どもが説明する側に回れて、理解が深まることも多いです。

Q. 毎日どのくらいやればいいですか?

A. 決めない方がいいと僕は思っています。ノルマにした瞬間、続かなくなるからです。試合を見る機会があった時に、1つだけ探してみる。それくらいのゆるさで十分です。大事なのは量ではなく、やめないことです。

まとめ

初心者の小学生が家でできる練習として、僕はドリブルの反復より先に、「もらいに行く動き」「仕掛けの最初の一歩」「ミスの後の次のプレー」「オフボールの準備」という4つの挑戦の技術を、親子で「見て、探す」ことをすすめています。そして、それ以上に効くのが、「自分から動いていいんだ」と思える家庭の空気です。

焦らなくて大丈夫です。始めたばかりの今は、うまくなることより、バスケが好きであり続けることの方がずっと大事。好きでい続けた子が、結局いちばん伸びていきます。その「続く環境」をつくれるのは、家庭だと僕は思っています。

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