RYOTA SUKEGAWA挑戦育成

発信 — ONE STEP FORWARD

ミニバスの後、中学は部活かクラブチームか。僕の考え

6年生の秋くらいから、保護者の方に必ず聞かれる質問があります。「中学は、部活とクラブチーム、どっちがいいんでしょうか」。周りの子の進路が聞こえてくる時期で、あの子はどこに決めたらしい——そういう情報が入ってくるほど、決められなくなる。分かります。

僕は札幌でバスケットボールスクールを3拠点(真駒内・南3条・新琴似)運営していて、100名の子どもたちに関わっています。同時に、U15のクラブチームをゼロから立ち上げた側でもあります。バスケ歴は27年。

先に言っておくと、この記事に「こっちが正解です」という答えはありません。書きたいのは、判断の材料と、決め方のほうです。

「どっちが正解か」という問いには、答えがない

前提として、部活動を否定する話も、クラブチームを持ち上げる話も、僕はするつもりがありません。

僕自身、学校の部活動で育ててもらった人間です。同じ学校の仲間と毎日顔を合わせ、行事も授業も部活も同じメンバーで過ごす。あの濃さは、クラブチームでは簡単に作れません。一方でクラブには、専門の指導者がいることが多く、活動日や強度を自分たちで設計できる自由度があります。

つまり、どちらにも構造的な良さがあり、どちらにも当たり外れがあります。「部活だから緩い」も「クラブだから伸びる」も、実際に見てみると全然そうではないことが普通にある。だから、名前で比べるのをやめる。それが僕の出発点です。

前提が動いている——部活動の地域移行

もう一つ、知っておいたほうがいい事実があります。中学校の部活動そのものが、いま大きく動いていることです。

これまで学校の先生が担ってきた部活動を、地域のクラブや民間に移していく「地域移行」という流れがあります。国は2026年度から改革実行期間に入り、まずは休日の部活動を原則すべての学校で地域に移していくことを目指すと打ち出しています。実際に、神戸市のように2026年9月から中学校の部活動を休日も平日も終了し、地域のクラブ活動に切り替えると発表している自治体もあります。

ただ、進み方は地域によってまったく違います。隣の市では受け皿が育っているのに、こちらはまだ何もない、ということが普通に起きています。休日の移行は進んでも、平日の移行は遅れているという現実もあります。毎日となると、指導者も場所も足りないからです。

だから僕は、この話を「部活はなくなるから今のうちにクラブへ」という煽りにはしたくありません。誰も、全国どこでも通じる正解の地図をまだ持っていないからです。僕自身、受け皿を作る側にいますが、それでも「うちの近くにもありますか?」と聞かれて、その場できれいな答えを返せないことのほうが多いです。

これは「今すぐ決める理由」ではなく、「入学予定の中学に、今どういう予定があるかを一度確認しておく理由」だと思っています。学校説明会や、ミニバスの先輩保護者に聞けば、たいてい分かります。

名前ではなく、この4つで比べています

では、何を見るか。僕が保護者の方と一緒に見ているのは、この4つです。

1つ目は、活動量と生活の折り合い。 週何回で、何時に終わり、送迎は誰がするのか。休日は月に何日つぶれるのか。ここが現実的に回らない選択は、子どもの意欲に関係なく続きません。

2つ目は、ミスした時に何が起きるか。 僕がいちばん重く見ているのはここです。体験や見学では、うまいプレーではなく、誰かがミスした直後の3秒を見ています。指導者の顔、周りの子の反応、本人が次のプレーに戻れるまでの時間。ここに、そのチームの本当の空気が出ます。ミスした瞬間に空気が固まる場所では、子どもは失敗を避けるプレーを覚えます。それは3年間かけて染み込みます。

3つ目は、出番の設計。 何人が在籍していて、そのうち何人が試合に絡んでいるのか。全員に出番があるのか、固定なのか。良い悪いではなく、我が子がその中でどういう3年間を過ごしそうか、という具体で考えます。

4つ目は、続けられる仕組みがあるか。 これはクラブを選ぶ場合に特に見てほしいところです。僕自身が立ち上げてみて痛いほど分かったのは、受け皿は「誰かが用意してくれる」ものではない、ということです。場所を借りて、お金を回して、指導者を集めて、毎週続ける。情熱だけでは続きません。仕組みがないと、いいチームでも1年や2年で消えてしまいます。代表が一人で全部やっていないか、指導者が複数いるか。この辺りは遠慮せずに聞いていいと思っています。

ちなみに、立ち上げたばかりのチームが悪いという話ではありません。僕のところも、先輩も伝統もないところから始めました。上級生がいない分、最初の学年が自分たちで空気を作ることになる。大変ですが、面白さでもあります。

決めるのは、親ではなく本人であってほしい

僕は、この進路選択の価値の半分以上は、「どちらを選んだか」ではなく「自分で選んだかどうか」にあると思っています。

理由は、その後に起きることが違うからです。中学の3年間には、必ずうまくいかない時期がきます。試合に出られない、思ったより伸びない。その時に「自分で選んだ」と言える子は、なんとかしようとする方向に頭が向きます。でも「親に決められた」と思っている子は、うまくいかない理由を環境に預けてしまうことがある。同じ壁でも、越え方が変わります。

だから僕は、家庭でこういう順番にしています。まず親が調べて、選択肢を2つか3つに絞る。ここは大人の仕事です。小6には情報が集められません。そのうえで、全部に体験に行く。行った後、親の意見を先に言わない。

このとき僕は「どっちが上手くなれそう?」ではなく、「どっちの体育館にいる時間が、長く感じなかった?」と聞きます。小学生に指導内容の良し悪しはまだ判断できませんが、その場にいた時の自分の感覚は、かなり正確に覚えているからです。本人が言葉にしてから、「お父さんにはこう見えたよ」と渡す。順番が変わると、同じ情報でも意味が変わります。

なお、札幌でしたら、僕が運営するU15クラブ「FOG」も選択肢の一つです。こういう形のクラブも地域にはある、という一例として。

▶ FOGhttps://www.resilienthoops.com/fog

よくある質問

Q. 部活とクラブチーム、両方に所属することはできますか?

A. 地域や学校のルールによって扱いが違うので、一概には言えません。併用している子もいますし、認められていないケースもあります。ここは入学予定の中学に直接確認するのが確実です。ただ、できるとしても、体と生活が持つかは別問題です。

Q. 上手い子はクラブチームに行くべきでしょうか?

A. 僕は、上手さで振り分ける考え方をしていません。上手い子が緩い環境で伸び悩むこともあれば、強度の高い環境に早く入りすぎて自信をなくす子もいます。見るのは上手さより、その子が今どういう状態かです。同じ実力でも、選ぶべき環境は変わります。

Q. 本人が「友達と同じところがいい」と言います。それでいいのでしょうか?

A. 僕は、それを軽い理由だとは思っていません。中学生年代で続けられるかどうかは、一緒にいる人にかなり左右されます。ただ、それだけで決めると、友達が辞めた時に一緒に崩れることがある。僕なら「友達がいること」も理由として認めたうえで、「それ以外に良かったところは?」ともう一つ引き出しておきます。理由が2つある選択は、簡単には折れません。

まとめ

部活かクラブか。この問いに、全員に当てはまる正解はありません。地域移行で前提が動いている今は、なおさらです。

だから僕は、この選択を「正解を当てるゲーム」ではなく、「子どもが自分で決める練習」として使えたらいいなと思っています。親が選択肢を整える。子どもが選ぶ。うまくいかない時期がきても、自分で選んだという事実が、その子を踏みとどまらせます。

そして、どちらを選んでも、あとから変えられます。3年間を一度の判断で背負い込まなくて大丈夫です。それより、「自分で決めた」という経験を一つ渡せることのほうが、たぶん長く効きます。

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この記事の話を、1冊にまとめました

『ミニバス保護者の教科書——ミスを恐れず、試合で自分から仕掛ける子になる』。試合後の声かけ、辞めたい、補欠、比較、環境選び。ミニバス保護者の悩みに答えた全5部25章です。

札幌の方へ

記事を書いた僕が、札幌でバスケスクールをやっています

札幌のバスケスクール「レジリエントフープ」——真駒内・南3条・新琴似の3拠点、小1〜高校生。ミスを恐れず、試合で自分から仕掛ける子になる——を約束に、加点主義で教えています。無料体験会は随時受付中です。

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