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ミニバスの当番・送迎がしんどい。スクール側の僕が思うこと

お茶当番、車出し、遠征の付き添い、保護者LINEのやりとり。子どもがミニバスを頑張っているのは嬉しい。でも正直、親の負担が重い——。口には出しにくいけれど、そう感じている方は本当に多いです。

僕は札幌でバスケットボールスクールを運営していて、100名の子どもたちに関わっています。保護者の方の悩みを日々の会話やSNSで追いかけていると、「当番・送迎・保護者同士の人間関係」の悩みは、声かけやコーチとの関係と並んで、常に上位に入ってきます。特にミニバス世代で強い悩みです。

今日は、指導する側・運営する側の立場から、この「しんどさ」の話を正面から書きます。最初に言っておくと、当番がしんどいと感じるのは、愛情が足りないからでも、わがままでもありません。

「子どものため」と「親の限界」は別の話

まず整理したいのは、この悩みが「子どもへの愛情」と混ぜられがちなことです。

当番や送迎がしんどいと口にすると、「子どものためでしょ」という空気が返ってくることがあります。だから多くの親御さんは、しんどさを抱えたまま黙って続けます。でも僕は、この2つは分けて考えていいと思っています。

子どもがバスケを好きなこと。親が毎週末の当番を続けられること。この2つは別の問題です。前者のために後者を無限に差し出すのが当たり前になると、どこかで家庭のほうが先に折れます。そして親が疲れ切ってしまうと、いちばん割を食うのは、実は子どもです。車の中の空気が重くなり、試合の帰り道が反省会になり、「あんたのために頑張ってるのに」が口をついて出るようになる。

僕は共働きで、娘の習い事の送迎は妻と分担しています。送りは僕、迎えは妻、と役割を決めてやっと回っている状態です。だから、平日の練習と週末の試合で家族の予定が埋まっていく感覚は、運営側であると同時に、親としても分かります。

続くかどうかは「子どもの気持ち」だけでは決まらない

僕がスクールをやっていて実感していることがあります。子どもの習い事が続くかどうかは、子どものやる気だけでは決まりません。家庭がその習い事を「持続できる形」になっているかどうかが、同じくらい効いてきます。

どんなに子どもが好きな競技でも、送迎で親が消耗し、当番のたびに家族の予定が崩れ、親同士の関係に気を使い続ける状態だと、続けること自体が家庭のストレス源になっていきます。逆に、負担が家庭のキャパシティに収まっていると、親は子どものプレーを純粋に楽しめるようになり、それが子どもにも伝わります。

だから僕は、「当番がしんどいから移籍やスクールを考える」というのは、逃げでも甘えでもなく、続けるための現実的な選択肢のひとつだと思っています。

2026年度から部活動の地域移行が本格的に始まり、地域クラブ・スクール・少年団と、バスケを続ける場所の選択肢は増えています。同時に、場所によって費用・送迎・親の関与の求められ方は大きく違うようになりました。「バスケを続ける=当番を続ける」しか道がなかった時代から、選べる時代に変わりつつあります。

僕のスクールに当番がない理由

うちのスクールには、お茶当番も車出し当番もありません。保護者の方にお願いしているのは、送り迎えだけです。

これは「保護者を楽にするサービス」というより、設計思想の問題です。僕は、保護者の方には子どものプレーを見て、変化を面白がる側にいてほしいと思っています。運営の労働力として組み込んでしまうと、体育館が「仕事の場所」になってしまう。それよりも、練習後の帰り道で「今日、最後まで自分から仕掛けてたね」と言ってもらえるほうが、子どもの成長には何倍も効きます。

もちろん、少年団には少年団の良さがあります。地域の大人が支え合ってチームを回す文化には、スクールでは出せない濃さがあるのも本当です。当番が苦にならず、あの関わりが楽しいという方は、それが一番いい。問題は、そのモデルが合わない家庭が「合わない」と言い出せないことだけです。

家庭ごとに「持続できる形」は違っていい

フルタイム共働きの家庭と、土日に時間を作れる家庭では、持続できる関わり方がまったく違います。きょうだいの人数でも、職場の柔軟さでも変わります。つまり「普通はこれくらいやる」という基準のほうに、あまり意味がありません。

僕がおすすめしたいのは、一度、家族で紙に書き出してみることです。毎週の送迎・当番・遠征で、誰が・何時間使っているか。それは半年後も続けられるか。無理が出ているなら、どこを変えれば続くか——分担を変えるのか、関わりの軽い環境を探すのか、回数を調整するのか。

「しんどい」を我慢でごまかさず、設計の問題として扱う。それだけで、選択肢はけっこう見えてきます。

よくある質問

Q. 当番を負担に感じるのは、親として冷たいのでしょうか?

A. 僕はそう思いません。負担に感じるのは、仕事や家庭と両立しながら本気で子どもに向き合っている証拠です。むしろ危ないのは、しんどさを無視して続けて、笑顔で応援できなくなることのほうだと思います。

Q. 当番のないチームやスクールに移ると、子どもに悪い影響はありませんか?

A. 環境が変わること自体の影響より、「なぜ変えるのか」を子どもとちゃんと話せているかのほうが大事です。子どもがバスケを続けたい気持ちを確認したうえで、家庭が続けられる形を選ぶのは、子どもにとってもプラスに働くことが多いです。

Q. 少年団の当番を減らしてほしいと言い出すのはアリですか?

A. アリだと思います。ただ、個人の不満として伝えるより、「続けたいからこそ、続けられる形を相談したい」という建て方のほうが通りやすいです。同じ悩みを抱えている家庭は、たいてい他にもいます。

まとめ

当番や送迎のしんどさは、愛情の問題ではなく設計の問題です。子どもの「続けたい」と、家庭の「続けられる」の両方が揃って、初めて習い事は長く続きます。我慢が限界に来る前に、家庭ごとの持続できる形を探していい。バスケを続ける場所の選択肢は、いま確実に増えています。

親が笑顔で見ていられる環境が、結局、子どもがいちばん伸びる環境だと僕は思っています。

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