RYOTA SUKEGAWA挑戦育成

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子どもの習い事が続かない。「辞めグセがつく」と心配だった僕の今

始めたばかりの習い事を、もう辞めたいと言い出した。前の習い事も長く続かなかった。このまま何をやっても中途半端になって、「辞めグセ」がついてしまうんじゃないか——。そんな心配をしている保護者の方は、多いと思います。

僕は札幌でバスケットボールスクールを運営していて、100名の子どもたちと保護者の方に関わっています。「続かない」の相談は、入会の場面でも退会の場面でも、本当によく聞きます。そして僕自身、二児の父として、上の娘の習い事を一つ「やめさせた」経験があります。今日はその話から始めます。

僕は、娘の習い事をやめさせたことがある

上の娘は一時期、習い事がいくつも重なって、明らかにキャパオーバーになっていた時期がありました。楽しんではいるけれど、週のスケジュールは詰まり、疲れが顔に出る。親としては「せっかく続けてきたのに」という気持ちもありましたが、僕と妻は話し合って、通っていた運動教室を一度やめる選択をしました。

正直、迷いました。「ここでやめさせたら、嫌になったらやめていいと学んでしまうんじゃないか」。いわゆる辞めグセの心配です。

でも、やめてみて分かったことがあります。あれは「逃げ」ではなく「整理」でした。詰め込みすぎた予定を整理したら、残した習い事に向かう娘の顔が明らかに変わったんです。全部を続けさせることが、続ける力を育てるわけではない。むしろ、多すぎる荷物が、全部を中途半端にしていました。

「続かない」には、種類がある

スクール運営者として多くの子を見てきて思うのは、「続かない」を一括りにしない方がいい、ということです。少なくとも三種類あります。

一つ目は、量の問題。娘のケースです。本人の気持ちの問題ではなく、単純に生活の中に入りきっていない。この場合、根性で続けさせても、どこかで全部が崩れます。減らせば解決することを、心の問題にしない方がいい。

二つ目は、相性の問題。教室の雰囲気、指導の仕方、一緒にやる仲間。同じバスケでも、環境が変わると別人みたいに夢中になる子を、僕は何人も見てきました。体験に来てくれたのに続かなかった子のことを、僕は「その子の根気の問題」だとは思いません。その子に合う形を、こちらが用意できなかった可能性をまず考えます。

三つ目が、興味の移り変わり。子どもの興味が動くのは、それ自体は健全なことです。いろんなことを試す時期は、将来の「これだ」を見つけるための探索期間でもあります。世界のトップ選手には、子ども時代に複数の競技を経験してきた人がたくさんいます。早く一つに絞って積み上げた人だけが伸びるわけではないんです。

辞めグセより怖いのは「嫌いになって終わること」

それでも、「簡単にやめさせたら癖になる」という心配は残りますよね。僕も親として、その感覚は分かります。

ただ、長く育成の現場にいて思うのは、辞めグセよりずっと怖いものがある、ということです。それは、嫌々続けさせられた結果、そのこと自体を嫌いになって終わることです。

嫌いになってやめたことには、子どもは二度と戻ってきません。でも、「楽しかったけど、今は他のことをやりたい」でやめたことには、戻る道が残ります。数年後にまた始める子、大人になってから再開する人を、僕はたくさん知っています。やめ方には、良いやめ方と悪いやめ方がある。僕が守りたいのは「続けた記録」ではなく、「好きだったという記憶」の方です。

やめる前に、一つだけ確認していること

とはいえ、何でもすぐやめていいとも思っていません。僕が娘の時にも、スクールの保護者の方にもおすすめしているのは、やめる前に「何が嫌なのか」を一度だけ分解してみることです。

練習がきついのか。友達関係なのか。先生が怖いのか。単に疲れているのか。「やめたい」という言葉は同じでも、中身は全然違います。原因が特定の壁なら、それを乗り越える経験は財産になるので、少し伴走する価値があります。原因が量や相性なら、環境を変えるのが正解のこともあります。

分解した結果やめるなら、それは「投げ出した」ではなく「選び直した」です。僕は娘の運動教室の件で、そう考えられるようになりました。

よくある質問

Q. 本人が「やめたい」と言ったら、すぐ受け入れるべきですか?

A. すぐに結論を出さず、まず理由を聞く時間を取ることをおすすめします。感情が動いた直後の「やめたい」は、悔しさや疲れの言い換えであることも多いからです。少し時間を置いて、それでも変わらないなら、本人の意思として受け止めていいと思います。

Q. 続けさせる約束(月謝を払ったから年度末まで等)はさせた方がいいですか?

A. 区切りを決めること自体はいいと思います。ただ、「お金を払ったんだから」という理由を子どもに向けるのは、僕はおすすめしません。続ける理由が罪悪感になってしまうからです。「次の発表会まで」「今月いっぱい」など、本人の節目で区切る方が納得が残ります。

Q. 何をやっても3ヶ月で飽きます。異常でしょうか?

A. 探索の時期の子どもには、珍しいことではありません。気をつけて見たいのは、飽きる理由がいつも「うまくできないから」になっていないか、です。その場合は飽きっぽさではなく、失敗が怖い気持ちの問題なので、できた・できないの評価を家庭で緩めてあげると変わることがあります。

まとめ

習い事が続かないことは、その子の根気や性格の欠陥ではありません。量の問題か、相性の問題か、興味の移り変わりか。中身を分解すれば、打つ手は変わります。

僕は娘の習い事をやめさせた日、「続けさせられなかった」と少し落ち込みました。でも今は、あれで良かったと思っています。守るべきは続けた記録ではなく、好きだという気持ちと、家族で無理なく回る日常です。そこが守られていれば、子どもはまた自分で、次の夢中を見つけていきます。

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