RYOTA SUKEGAWA挑戦育成

発信 — ONE STEP FORWARD

つい他の子と比べてしまう親へ。僕も比べてしまう側の人間です

同じチームのあの子はもうレイアップが決まるのに。同じ学年なのに、あの子の方が声が出ているのに。見ないようにしても、目が勝手に比べてしまう。そして比べてしまった自分に、ちょっと落ち込む。そんな経験はないでしょうか。

僕は札幌でバスケットボールスクールを運営していて、100名の子どもたちと保護者の方に関わっています。指導の場では「比べないことが大事ですよ」なんて言っている僕ですが、今日は正直な告白から始めます。僕も親として、つい比べてしまう側の人間です。

一歳半健診で、比べていた自分がいた

先日、下の娘の一歳半健診に行ってきました。そこで、あらためて感じたことがありました。下の子は、上の子とくらべると、まだ言葉があまり出てきていない。一生懸命しゃべろうとはしている。でも、上の子の同じ時期とくらべると、ちょっとゆっくりなのかな、と。

心配しているわけじゃないんです。まだ一歳半。これからきっとたくさん話してくれる。それは分かっている。それでも「上の子はこの頃もう……」と、つい比べている自分がいました。

上の子に対してもそうです。運動会で走っている我が子を見ながら、つい、まわりの子とのスピードを目で追ってしまう。速いな、とか、あの子の方が、とか。気づくと比べているんですよね。

だから最初に言っておきたいのは、比べてしまうのは悪い親だからじゃない、ということです。我が子を心配しているから、伸びてほしいと思っているから、比べてしまう。あれは愛情の裏返しです。比べてしまう自分を責めなくていい。僕も比べてしまうので、えらそうなことは何も言えません。

ただ、その「比べる気持ち」がそのまま子どもに届くと、もったいないことが起きる。そこだけ、一緒に考えたいんです。

「あの子はできるのに」が届くと、何が起きるか

子どもは、親が思っている以上に敏感です。「あの子はもうできるのに」と直接言わなくても、ため息や表情や声のトーンで、なんとなく伝わってしまう。そして比べられた子は、こう受け取ることがあります。「自分はダメなんだ」と。

そう思い込むと、新しいことに向かう元気がしぼんでいきます。「どうせまた比べられる」と思うと、一歩が出なくなる。本当はいちばん伸びる時期に、心の方がふさいでしまう。

僕自身、選手としてずっと比べられる世界で生きてきました。選ばれた、選ばれなかった。あいつの方がうまい、お前はまだだ。そういう物差しの中にいつもいた。正直、しんどかった時期もあります。誰かと比べて自分の方が下だと感じると、バスケが楽しくなくなる。手が縮こまる。今ふり返ると、人と比べてばかりいた時期は、たいてい伸びていなかった気がします。

逆に伸びたのは、「昨日の自分」と比べられた時でした。昨日できなかったことが今日できた。先週よりちょっと良くなった。その実感があると、まわりがどうであれ、前に進めたんです。

比べるなら、「昨日のその子」と

だから僕は、比べるなら、よその子でもきょうだいでもなく、「昨日のその子」と比べるようにしています。

きょうだいだって、一人ひとりまったく違います。上の子が早かったから下の子も、なんてことはない。育つスピードも得意なことも全部ちがう。同じ物差しを当てる方が、むしろ無理があるんですよね。

人と比べると、終わりがありません。上には上がいる。でも「昨日のその子」となら、どの子も必ず一歩は進んでいる。その一歩を見つけてあげられるのは、いちばん近くにいる親だと思うんです。

僕が家でやっている小さなことを一つ。「あの子はできるのに」が口から出かけた時、ぐっと飲み込んで、代わりにその子自身の今日できたことを口に出すようにしています。「さっきの、前より良くなってたね」とか、「最後まであきらめなかったね」とか。

正直、いつもうまくできるわけじゃありません。つい比べてしまう日もあります。でも、比べる言葉を一つ飲み込んで、その子の一歩を一つ口にする。それだけで、子どもの顔がちょっと変わる。僕はそう感じています。

それと、今の時代は比べる材料が多すぎる、ということも書いておきたいです。昔は比べる相手といえば同じチームの子くらいでした。今はSNSを開けば、同学年のすごい子のハイライト動画が全国から流れてきます。あれを見て焦らない親の方が少ない。

でも、流れてくるのは各家庭の「いちばん良かった10秒」です。うちの子の練習の全部と、よその子のハイライトを比べたら、勝てるわけがないんです。僕は、焦りが湧いてきた時ほど「これはハイライトだ」と自分に言い聞かせるようにしています。

よくある質問

Q. きょうだいで同じミニバスに入っています。どうしても差が見えてしまいます。

A. 同じ場所にいると比べやすいのは当然です。僕なら、二人を同じ画面で見ないようにします。上の子には上の子の、下の子には下の子の「先週との差分」だけを見る。声をかける時も「お兄ちゃんは」を主語にしない。それだけで、届く言葉が変わります。

Q. 子ども自身が「あの子より下手だから」と落ち込んでいます。

A. 子どもも自分で比べます。それ自体は止められません。僕なら、比べたことを否定せず「そう見えたんだ」と受け止めた上で、その子ができるようになったことを具体的に返します。他人との差は縮まらなくても、昨日の自分との差は今日つくれる。その視点を、少しずつ渡していきます。

Q. 競争心も大事だと思うのですが、比べるのは全部悪いことですか?

A. 悪くないと思います。ライバルの存在で伸びる子は実際にいます。分かれ目は、比較が「あの子みたいになりたい」という燃料になっているか、「自分はダメだ」という結論になっているか、です。前者なら見守っていい。後者に傾いてきたら、物差しを「昨日のその子」に戻すタイミングだと思います。

まとめ

つい比べてしまう。それは、しかたない。親だから比べてしまうんです。でも、最後に口から出す言葉は選べます。

比べる言葉を一つ飲み込んで、その子の一歩を一つ口にする。それを繰り返した先に、「自分はここにいていい」という感覚——自己肯定感が、少しずつ積み上がっていくんだと思います。よその子との差ではなく、その子の中の前進を、いちばん近くで見つけてあげてください。

つい比べそうになった時に、その子自身の一歩を見つける言葉を集めた『声かけチェックリスト30』を、公式LINEで無料でお渡ししています。

▶ 公式LINEはこちらhttps://lin.ee/DVaEz13

ミニバス保護者の教科書(Kindle版)表紙

KINDLE本 ・ 490円 ・ Kindle Unlimited対応

この記事の話を、1冊にまとめました

『ミニバス保護者の教科書——ミスを恐れず、試合で自分から仕掛ける子になる』。試合後の声かけ、辞めたい、補欠、比較、環境選び。ミニバス保護者の悩みに答えた全5部25章です。

札幌の方へ

記事を書いた僕が、札幌でバスケスクールをやっています

札幌のバスケスクール「レジリエントフープ」——真駒内・南3条・新琴似の3拠点、小1〜高校生。ミスを恐れず、試合で自分から仕掛ける子になる——を約束に、加点主義で教えています。無料体験会は随時受付中です。

無料体験会の詳細を見る →

読んだら、 聴いてみる。

この続きは、平日毎朝のポッドキャストで。
5分だけ、一緒に前へ進みましょう。