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バスケのポジションは小学生で決めなくていい。僕を救った選手の話

「うちの子はガードに向いていますか?」「背が高いからセンターをやらされているんですが、大丈夫でしょうか」。小学生のバスケでは、ポジションについての質問をよく受けます。ポジションが決まると役割が分かりやすくなる一方で、「この子はこれ」と早く固定していいのかは、悩ましいところですよね。

僕は札幌でバスケットボールスクールを運営していて、100名の子どもたちに関わっています。バスケ歴は27年。結論から言うと、僕は小学生のうちにポジションを決め切る必要はないと思っています。ただ、その話をする前に、僕自身がポジションというか「役割」に救われた話をさせてください。

シュートが下手だった中学生の僕

正直に言うと、僕は中学の頃、シュートが全然うまくありませんでした。まわりにはポンポン決める子がいるのに、僕は打ってもなかなか入らない。「点を取れない自分は、このチームで何をすればいいんだろう」と思っていました。

その頃、僕が大好きだったのが、NBAのデニス・ロッドマンという選手です。得点はそんなにしない。でも、リバウンドとルーズボールへの執着だけで、リバウンド王を何年も連続で取って、あのジョーダンのいたブルズで優勝までしている。

点を取らなくても、超一流になれる道がある。当時の僕には、それが衝撃でした。「点が取れないなら、点を取る以外のことでチームの役に立てばいい」。そこから僕は、リバウンド、ルーズボール、走ること、ディフェンスで粘ること。自分にできることを、とことんやるようになりました。

すると面白いもので、「あいつがいるとこぼれ球を拾ってくれる」と思ってもらえて、コートに居場所ができたんです。点を取らなくても、必要とされる。あれは本当にうれしいことでした。

ポジションより先に「役割の楽しさ」を知ってほしい

この経験があるから、僕はポジションの話を聞かれた時、「どこを守るか」より先に、「どんな役割でチームに関われるか」を見てほしいと伝えています。

得点する子だけがチームを勝たせているわけではありません。味方のためにスクリーンで体を張る。こぼれ球に飛び込む。誰よりも先に守備に戻る。スコアシートには残らないけれど、勝つチームには必ずこういうプレーをする子がいます。僕は今でも、点を取った子と同じくらい、そういう子を目で追ってしまいます。

小学生のうちに「自分はこの役割でチームの役に立てる」という手応えを一つ持てた子は、強い。それはポジション名より、ずっと大事な財産だと思っています。

それでも、固定はしない方がいい理由

そのうえで、小学生の段階で「君はセンターだから外は打たなくていい」「ガードだからゴール下はいい」と役割を狭めることには、僕は反対です。理由は二つあります。

一つは、体格の順番が入れ替わるからです。小学生で大きい子が、中学で追い抜かれることは普通にあります。「大きいからセンター」で育った子が、身長が並んだ瞬間に武器がなくなってしまう。これは本当によく見る光景です。

もう一つは、全部の経験があとで効いてくるからです。ドリブルで運ぶ、外から打つ、ゴール下で戦う、リバウンドに跳ぶ。どのポジションに進むとしても、全部やったことがある子の方が、プレーの引き出しが多くなります。今の世界のバスケは、センターでも外から打ち、ガードでもリバウンドに絡む時代です。

だから僕のスクールでは、ポジションを固定した練習はほとんどしません。全員がボールを運ぶし、全員がゴール下も経験します。

「役割を持つこと」と「役割に閉じ込めること」は違う

ここは少しややこしいのですが、大事なところです。ロッドマンの話と、固定しない話は、矛盾しているようで、していません。

自分の得意を見つけて、そこでチームに貢献する。これは子どもの自信になります。でも、大人がその子を「リバウンド要員」として閉じ込めて、シュートの挑戦を取り上げてしまったら、話は別です。役割は本人が見つけていく居場所であって、大人が貼るラベルではない。

僕自身、リバウンドで居場所を作ったあと、そこで自信がついたから、苦手だったシュートにもまた向き合えました。役割は挑戦をやめる理由ではなく、次の挑戦への足場なんですよね。

よくある質問

Q. チームでポジションを固定されています。やめさせた方がいいですか?

A. チームの事情で役割が決まること自体は、悪いことではありません。気をつけたいのは、家庭でまで「あなたはセンターなんだから」と役割を強化しないことです。自主練やスクールでは全部のプレーを楽しんでいい、という逃げ場を残しておくと、バランスが取れます。

Q. 身長が低いので、ガードしかできないのではと心配です。

A. 小学生の身長で将来を判断するのは早すぎます。それに、低くてもリバウンドやディフェンスで戦う選手は世界中にいます。身長は変えられませんが、役割の見つけ方は無限にあります。「低いからできない」より「今の体で何ができるか」を一緒に探す方が、ずっと前向きです。

Q. 得点しない役割ばかり褒めると、消極的になりませんか?

A. いい質問です。地味な貢献を認めることと、シュートを打たない言い訳にすることは分けたいところです。僕は「あのスクリーンよかった。次は同じ場面でパスが来たら打ってみよう」というように、認める言葉と次の挑戦をセットで渡すようにしています。

まとめ

ポジションは、小学生のうちに決めるものではなく、いろんな経験の先で本人がたどり着くものだと僕は思っています。それより先に持たせてあげたいのは、「自分はこれでチームの役に立てる」という手応えです。

シュートが下手だった僕は、点を取らない超一流の存在に救われました。お子さんのプレーを見る時、得点の瞬間だけでなく、その手前の地味な一歩にも目を向けてみてください。そこに、その子の居場所の種があるかもしれません。

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