「バスケは何歳から始めるのがいいですか?」——体験会でいちばん多く聞かれる質問です。先に答えを言うと、年長でも小5でも遅くありません。小1から小6が同じコートで練習するうちのスクールでは、後から始めた子が数ヶ月で追いつく場面を何度も見てきました。
ただ、年齢よりはるかに差がつくものがあります。「最初の環境」です。この記事では、ゴールデンエイジの誤解と、早く始める時・遅く始める時それぞれの注意点、そして最初の環境で見てほしい1点を、3拠点100名を見てきた僕の実感から書きます。
スクールに来る子の「始めた年齢」は、驚くほどバラバラ
うちの真駒内校には「GROWTH」という初心者向けクラスがあって、小1から小6までが一緒にボールを追いかけています。入ってくるタイミングは本当にバラバラです。幼稚園の頃からボールに触っていた子もいれば、小5で「友達がやってるから」と初めてコートに立つ子もいる。
長く見ていて気づいたことがあります。始めた年齢と、数年後の上手さは、思っているほど比例しません。
早く始めた子は、最初はもちろん上手です。ドリブルもシュートフォームも様になっている。でも、後から始めた子が数ヶ月でぐっと追いつき、追い抜いていく場面を、僕は何度も見てきました。逆に、早く始めたのに伸び悩む子もいます。差を分けているのは「いつ始めたか」ではなく、別のところにあるんです。
「ゴールデンエイジ」に焦らなくていい理由
保護者の方が焦る理由のひとつに、「ゴールデンエイジ」という言葉があると思います。子どもの神経系が大きく発達する時期に、いろんな動きを経験させるのがいい、という考え方ですね。この時期にいろんな運動をするのが大事、という点は僕もその通りだと思います。
ただ、ここでよくある誤解が「この時期にバスケを始めないと手遅れになる」というものです。僕は逆だと思っています。この時期に大事なのは、バスケという特定の競技を極めることではなく、走る、跳ぶ、止まる、捻る、投げる、受ける——いろんな動きの土台を広げることだからです。
実際、早くから一つの競技に絞ることのリスクは、専門の世界でも指摘されています。同じ動きばかりを成長途中の体で繰り返すと、同じ場所に負担が集中しやすい。それから、燃え尽きです。早くから「これ一本」と背負わされると、好きだったはずのバスケが「やらなきゃいけないもの」に変わってしまう。
NBAのレブロン・ジェームズは、高校時代はアメフトでも全米で評価される選手でした。アレン・アイバーソンも高校ではアメフトのクオーターバック。アメリカのトップ選手には、複数の競技で土台を広げてから上がってきた選手がすごく多いんです。複数競技を経験してきた選手のほうが怪我が少なく、選手生命も長い傾向がある、という調査もあります。
だから、水泳やサッカーをやりながら「バスケも気になる」くらいの状態は、遠回りどころか、むしろ理想的です。焦って絞る必要はまったくありません。
遅く始めた子は、本当に不利なのか
「小5からじゃ、もう遅いですよね」と申し訳なさそうに聞かれることがあります。僕は毎回、本気で「遅くないです」と答えています。
遅く始めた子には、遅く始めた子の強みがあります。体がある程度できているので、動きの習得が速い。コーチの説明を理解する力があるので、「なぜこの練習をするのか」が分かった状態で取り組める。そして何より、「自分がやりたくて始めた」という気持ちの濃さです。親に連れられて来た年長さんと、友達の試合を見て「僕もやりたい」と言い出した小5では、練習に向かうエネルギーが違います。
僕がこれまで見てきて、長く伸び続ける子の共通点は、早く始めたことではありません。「好きで続けている」時間が長かったことです。早く始めても途中で嫌いになってやめてしまったら、元も子もない。逆に、小5で始めても「バスケ、好きだな」が続いていれば、その子は中学でも高校でも伸び続けます。
何歳で始めるかより、「どこで、どう始めるか」
ここまで読んで「じゃあ、いつでもいいのか」と思われたかもしれません。その通りです。ただ、ひとつだけ、年齢よりはるかに大事だと思っていることがあります。最初の環境です。
初めてバスケに触れる場所で、ミスをした瞬間にコーチがどう反応するか。ため息をつかれるのか、「ナイスチャレンジ」と言ってもらえるのか。最初の環境で「バスケ=怒られるもの」と刷り込まれてしまった子は、その後どれだけ環境を変えても、萎縮する癖を抜くのに時間がかかります。逆に、最初に「失敗しても大丈夫な場所」でボールに触れた子は、どんどん自分から試すようになる。始めどきの正解を探すより、始め方の失敗を避けるほうが、ずっと効果が大きいんです。
環境の見極め方は、別の記事に詳しく書きました。体験で何を見ればいいかは「小学生のバスケットボールスクールの選び方」に、札幌で通える場所の探し方は「札幌のバスケットボールスクールの探し方」にまとめてあるので、始める場所を選ぶときの参考にしてもらえたら嬉しいです。
よくある質問
Q. 年少・年長の幼児からでも始められますか?
A. 「バスケとして」始める必要はまだない、というのが僕の考えです。この時期はルールの理解を求めるより、ボール遊びや鬼ごっこ、公園でのいろんな動きのほうが、後々のバスケにちゃんと効いてきます。本人が「やりたい」と言うなら、遊びの延長で楽しめる場所を選んであげてください。うちの初心者クラスも小1からとしています。
Q. 小6や中学からでは遅いですか?
A. 遅くないです。実際、うちにも高学年で初めてボールに触った子がいますし、そこから部活で活躍する子も見てきました。ひとつだけ確認してほしいのは、そのスクールやチームに「初心者への対応」があるかどうか。経験者ばかりの中に放り込まれると、実力より先に気持ちが折れてしまうので、初心者と経験者でメニューを分けているかは体験のときに見てみてください。
Q. ミニバスとスクール、最初はどちらがいいですか?
A. お子さんの今の状態から逆算するのがいいと思います。ミニバスは試合と勝敗を軸にしたチーム活動、スクールは個人の上達を軸にした習い事です。「まずボールに慣れて、楽しいと思えるか確かめたい」ならスクールから、「試合がしたい、チームでやりたい」が先にあるならミニバスから。途中で足したり移ったりもできるので、最初の選択で全部が決まるわけではありません。
まとめ: 「何歳から」の正解を探さなくていい
バスケは何歳から始めるべきか。27年バスケに関わって、100名の子どもたちを見てきた僕の答えは、「何歳でも遅くないし、早く始めることが正解でもない」です。
早く始めるなら、バスケ以外の遊びや運動と並行しながら、楽しく。遅く始めるなら、「やりたい」と言い出したその気持ちを大事に。どちらの場合も、いちばん影響が大きいのは年齢ではなく、最初に出会う環境です。「始めどき」を探すより、失敗しても大丈夫な「始め方」を選んであげること。それが、バスケを長く好きでいられるいちばんの近道だと、僕は思っています。
僕が運営するResilient Hoopsでは、真駒内校の初心者クラス「GROWTH」(小1〜小6)をはじめ、札幌3拠点(真駒内・南3条・新琴似)で無料体験を受け付けています。「初めてのバスケ」の場所として、お子さんに合うかどうか、帰り道の顔で確かめてみてください。
▶ 無料体験のご案内はこちら
https://www.resilienthoops.com/resilient-hoops
この記事の元になった話は、Kindle『ミニバス保護者の教科書』の第21章「バスケは何歳から? 年齢より大事な『始め方』」に、続く第22章「スクールの選び方。僕が見ている4つの基準」とセットで載せています → Kindleで読む
始めたばかりの子に僕がかけている言葉は、「声かけチェックリスト30」(無料)にまとめています。公式LINEからすぐ受け取れます → 公式LINEで受け取る